ビッグデータとマーケティング：メーカーはあなたの走行データをどう使う？
あなたがクルマを運転するたびに、自動車メーカーは膨大なデータを収集しています。エンジンの回転数、ブレーキの使用頻度、エアコンの設定温度、よく通るルート、停止した場所…。これらは全て「ビッグデータ」として蓄積され、メーカーの貴重な経営資源となっています。
このデータはまず、車両の故障を予測し、予防保守を促すことで顧客満足度を高めるために使われます。しかし、その活用はさらに先へ進んでいます。あなたがよくスポーツジムの近くを通るなら、ジムの広告が車載ディスプレイに表示されるかもしれません。長距離運転が多いと分析されれば、レンタカー会社からのお得な情報が届くかもしれません。つまり、車両監視は、あなたの趣味や嗜好、生活パターンを推測し、パーソナライズされたマーケティングに利用される可能性を秘めているのです。
FAQ
Q: データ収集をオプトアウト（拒否）できますか？A: 可能な場合もありますが、多くの場合、そのためには特定のコネクテッドサービス（遠隔診断、ナビ更新など）の利用を完全に停止する必要があり、利便性を大きく損なう選択を迫られます。
Q: データは匿名化されているのでは？A: マーケティング利用の際には匿名化されることが一般的です。しかし、車両識別番号（VIN）と紐付いた元データはメーカーが保持しており、完全な匿名性が保証されているとは言い難い面があります。
私たちは、ガソリン代だけでなく、自身のデータという「対価」を支払ってクルマを動かしているのかもしれません。